ネット社会の孤独から、太陽の輝きへと向かう原動力を考える
誰も、わたしのことなんて分かってくれない
「人に受け入れられたい」という願いは、人間の本能的欲求です。
「相手のことをわかりたい」
「自分のこともわかってほしい」
「互いにわかりあって、真の意味で繋がりたい」
深い感情を揺さぶるミュージカルを、
家族でお正月に観ました。
誰にとっても共感できる、心の奥深いところを揺さぶるストーリーでした。
Dear Evan Hanson
2017年のトニー賞6部門を総なめにした話題作。
ネット社会の人間関係を巧みに描いたミュージカル
主人公のエバンは人付き合いの苦手な高校生。
学校でも家庭でも、居場所がないように感じている。
誰かとつながりたい気持ちを持て余していたのに、
人に見せるつもりでなかった手紙が公開され、
成り行きで嘘をつき、偶然にもこれまで持てなかった居場所をみつけますが、
嘘を重ね架空の自分が出来上がってしまう。
さらにSNSの力に翻弄されて、人生が思いがけない方向に好転します。
が、その嘘が陽の光にさらされる時が来て… (とネタバレしない範囲にしておきます♪)
学生時代、新学期に新しい友人ができるか不安な気持ち。
親に何を言っても分かってもらえない。
親になってからは、子どもと理解し合えないギャップを感じる。
ほとんどの人なら、そんな少なからず経験があるはず。
だから世代を超えて支持されて大ヒットになったのでしょう。
その上、ネット社会の現代は、
常につながっているのが当たり前の状況でありながら、
それなのに
いえ、むしろ
それだからこそ
実際には身近な人のことは互いによく理解できない
という悲しい状況。
「ガラス窓の向こう側から手を振り返してくれる人はいるのだろうか?」
とエバンがじぶんの孤独を歌いながら、
裏の意味では、スクリーンを通してタップ(クリック)ばかりしている
私たちの日常生活について表現しているかのようです。
陰へ退くとき、輝きの中へ広がるとき
もうひとつ、心に残ったのは
「太陽の中」という表現。
もうこれ以上傷つかないように
「太陽の外に出る」=日陰に行く
これがミュージカル後半に歌われる「You will be found」中にある
Let the Sun come streaming in
太陽の光を内に流れるように取り込もう
という表現と対になっているように感じました。
(上の動画は、自殺防止チャリティの映画したての同曲)
私たちは
受け入れられていない
分かってもらえない
と感じると、自分を守るために小さくなります。
それは【怖れ】の気持ちから行動するから。
逆に光の中へと
✨輝きの中✨へ進んでいけるのは、
【怖れ】とは反対である【愛】が原動力。
自分をいたわり、そして誰かを大切に思う気持ち。
恋愛ではなく、普遍的な愛。
大好き!
愛おしい。
無条件の愛。
が原動力になる。
怖い気持ちがあっても、
大切な人
自分が譲れないと感じることのためには
勇気を出して
【怖れ】で小さくなるのではなく
身体を、そして手足を伸ばし、【愛】をあえて選びたい
とわたしは考えます。
そのひとの人間としての「在りかた」
大きく呼吸する
知らない世界に足を踏み入れる
相手に手をのばす
この気持ちや態度とは
家族・友人
仕事上のおつきあいのある方々やクライアントさん
もしかしたら通りすがりの知らない人に対してさえも
土台になる
そのひとの人間としての在り方Being
に関わる大事なことだと
ここ1週間、ずっと考え続けてきました。
わが身を翻って
というのも実は、この舞台を観て帰宅した深夜
帰省していた子供たちも交えて
緊急家族会議になったんです。
2年前にも同様の事件があり
当時は皆泣きじゃくっていた子供たちも
上の2人が冷静に建設的意見を述べたり
感情的になる弟をたしなめたり
成長ぶりを見せてくれました。
どんな対話も
たとえ、傷つく意見が出たとしても
話し合いもできないよりは
断然、良い結果だったと思います。
この家族会議のきっかけが、果たしてこの舞台のせいかどうか?
それは定かではないけど…
ネット社会での、わたし自身の在りかた
意識して選んでいきたいです。
魔法のようなテクノロジーに使われるのではなく
遠くにいても誰でも、クリックひとつで「繋がれる」
だからこそ、愛をいっぱいに感じられるような
テクノロジーの使い方をしたいです。
テクノロジーに使われるのではなく
使う主体は「わたし」たち一人ひとり。
その意味では、
英国にいながら
世界中の皆さんと日本語でこうしてつながったり
講座メンバーの皆さんと毎週オンラインで会えるのは
テクノロジーに感謝!
とにかく
音楽も、歌も、ストーリーも素晴らしい
Dear Evan Hanson
もし機会があったらぜひ見ていただきたいミュージカルです。
近々、映画化も決定しているようですよ。